田谷商店

2022/10/13 16:11

田谷商店が目指すゴールの一つは、自らが転勤族として移り住んだ土地の伝統産業がV字回復することです。

第一弾の「奈良」においては、歴史的に奈良と縁のある5つの原材料を使用しています。
共通して言えることは、これら原材料の一大産地として栄えていった歴史がありつつも、安価な外国産の流入・従事者の高齢化等により、事業をたたむ人が後を絶たないことです。

田谷商店は奈良を出発点とし、日本の良質な原材料を積極的に活用し広めることで産業のV字回復を目指します。





■吉野葛
奈良県は古くから製葛産業が営まれてきた地で、「吉野葛」は懐石料理や和菓子に使われることも多く、全国区のブランドとして知られています。田谷商店では、奈良県吉野地方で吉野葛の製造・卸販売をされている灘商事様より仕入れた、国産100%の葛粉を使用しています。昔ながらの職人手作業による寒晒手法で作られた吉野葛をまずはシンプルな葛湯でお楽しみください。
※吉野葛の歴史や製造工程に関しては、下記ページを参照ください。




■大和茶
日本のお茶は、最も古い記録で奈良時代に「行茶の儀」が行われていたと記されています。今でも奈良県内の山間部を中心に「大和茶」が生産されており、中でも最も南部に位置する生産地が吉野郡大淀町にあります。今回田谷商店が緑茶粉末を仕入れさせていただいた、嘉兵衛本舗様がお茶作りを始めたのは江戸時代中期、天保の頃。それから6代にわたって製茶の仕事を受け継いでこられました。今では3姉妹の皆様が、お茶づくりに励んでいらっしゃいます。





■生姜
奈良県の有名な古墳の一つに高松塚古墳が挙げられますが、一説によると、明日香村の農家が生姜を貯蔵しようと穴を掘ったところ、穴の奥で切石が見つかり古墳の発掘につながったと言われています。田谷商店では、明日香村で活動されている(一財)明日香村地域振興公社様より生姜粉末を仕入れ、葛湯に使用しています。こちらの生姜粉末は、辛みがしっかりと感じられ、甘い葛湯に程よい刺激を加えてくれます。





■キハダ
キハダはミカン科の落葉広葉樹で、その樹皮から採れる黄檗(おうばく)は飛鳥時代に奈良で疫病から民を救ったとされる伝統薬「陀羅尼助(だらにすけ)」の主原料です。夏ごろには小さな実がなり、口にすると柑橘系の強い香りと山椒のような刺激的な味がします。北海道のアイヌ民族は、風邪の時や腹痛の時にスパイスとして食していたようです。田谷商店では、奈良県の高取町でキハダの苗木づくりから、加工・流通までの一連を手掛けるポニーの里ファーム様よりキハダの実粉末を仕入れ、生姜キハダ葛湯を仕上げました。





■蚊帳
奈良と蚊帳の歴史としては、江戸時代奈良の邑地付近で麻の栽培が盛んで、「邑地蚊帳」と呼ばれたのが始まりとされています。当時は農家の副業だったそうです。今回田谷商店の御年賀制作のご相談をさせて頂いたマルソウ様は、その伝統を引き継いだ蚊帳販売をされているだけでなく、蚊帳生地を布巾に合うように素材や縫製を改良した、手折りの布巾を採用されました。職人さんが一枚一枚手で折り、8枚重ねで作られた蚊帳生地の布巾は手間がかかりますが、機械縫製にはない柔らかさ、そして手に馴染みやすい風合いが出ます。

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